新年ご挨拶

「戦略」と「組織」その体質

理事長 小川 正治

 新しい年を迎え、皆様それぞれの御健勝と日々の充実を祈念いたします。
新年にあたり、協会のこれからの事業活動にも関わる「戦略」と「組織」そして組織体質について考えを申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。
 著名な経営学者 アルフレッド・D・チャンドラー Jr. は、その著書『Strategy and Structure』の中で「組織は戦略に従う」という考え方を主張しました。企業理念(事業理念)とビジョンに基づいて策定した「戦略」が、その実行母体である「組織」を規定するという意味です。 この考え方は、企業における事業部制、カンパニー制、持ち株会社などの組織体制のもとになっています。一方、「企業戦略の父」といわれるイゴール・アンゾフは著書『企業戦略論』で「戦略は組織に従う」と 提示しています。実行する戦略自体が組織の規模や成熟度、企業文化、とりわけ人的資源の能力によって限界があり、現有の「組織」に制限されるという考え方です。両者の理論は「戦略」と「組織」の関係で主と従が逆になっています。 しかし、どちらが主で、どちらが従かという「主従にとらわれることなく双方を重要な相関関係上で考えなければならないことなのです。そもそも企業戦略(事業戦略)は、マクロの社会環境や経済環境、自組織の業界内ポジションや 収益構造等によって時々で変化するものです。そして、その戦略に最もマッチする「組織戦略」(組織形態、人的配置、業務体制、マネジメント)と一体で構成すべきものなのです。
 さて、今年度から取り組む『JTAA 進化戦略』はどのように構築したかといいますと、 明確に「組織は戦略に従う」考え方によっています。
JTAAブランドのステータス向上をターゲットとする「基本戦略」、収益構造の持続的改善のための「事業戦略」ともにプロジェクトを含む新受け皿・組織への再編を前提としています。 法人体質とマネジメント強化を目指す「組織戦略」も同時併行で進みます。
 以上、新戦略の実行について述べましたが、組織に関してはどうしてもその体質を改善しなければならない本質的なテーマがあります。それは、「組織本来の自浄能力」 (組織内の悪弊を自分たちで改めることのできる力)を有効に発揮できることです。難題ですが、生き残りには必須の条件といえましょう。